アドラー心理学「嫌われる勇気」の続編「幸せになる勇気」
美容師としての私は、お客様の髪を綺麗にしたい、その為には頭皮の健康、髪を健康にする事が大事だと思っています。
それはお客様のなりたいスタイルを実現する為に。
お客様にとって最も良いと思われる方法を考えて提案出来る自分で在りたいと思うのです。
けれど、その私の思いが全ての人に届くかというとそうでは無くて。
そんな時、自分の中の醜い心を知る事になるのです。
「こんなに〇〇様の事を考えて提案してるのに」と、こんな思いがムクムクと心に現れるのです。
そこには、ご来店への感謝より先に、受け容れて貰えない相手への不満が先にたつのです。
一生懸命やっていればいる程に、残念に思うのです。
そして知るのです。
お客様の為にと思って提案した事は、こんなに〇〇してあげてるのにという自分の傲慢さ。
受け容れて貰うという見返りを求めようとする自分。
私は自分の正しさを押し付けようとしているのだと。
心理学では自分と考えが違う相手を尊重するという事を学びますが、自分の正義を押し通したくなるのです。自分の経験からくる正しさです。
相手には相手の考え方がある。自分に自分の正しさがあるように、相手には相手の正しさがある。そう頭ではわかっていても心からは受け容れ難く。
また、心理学では「共感する」という事が大事だとも学びます。
「あなたの気持ち良くわかるー」という同調ではなく、「あなたは今〇〇な気持ちなのね」と相手の気持ちをわかろうとする事が大事なのだと。
尊重する。
共感する。
上から目線になりそうな強い自分。
同調したくなる弱い自分。
心理学に出会って以来の私の課題です。
そんな時、アドラーはこんな言葉で教えてくれました。
私達は自分の目で見て、自分の耳で聴いて、自分の心で物事を感じる主観の世界にいる。共感とは『他者の目で見て、他者の耳で聴いて、そして他者の心で感じる』事だと。
お客様の髪の悩みを聴いて改善策を提案する。これは私の課題です。
だけど、提案した後はお客様の課題なのです。提案した改善策を受け容れるかどうかはお客様の課題。そこに私の思いは必要ないのです。
今日のお客様は、ご病気の為に手足が思うように動かない方。髪はくせ毛が強い方なので少しでもお手入れがしやすいように考えて、より良い方法を提案して来ましたが、相反するものをしたいと仰るのです。
先ずは、自分の醜い心を受け容れようとしました。
そして、お客様の立場に立って物事を見ようとしました。
すると、お客様の気持ちが理解出来るのです。
今のお客様の全てを受け容れようと思えたのです。
「人は変われる」というアドラーは、私に一歩踏み出す勇気を与えてくれています。
自分で自分を幸せにする選択が出来た今日の一歩の為に、このブログを残します。