2021/08/11
私が作家、山崎豊子さんに出会った作品『大地の子』
第二次世界大戦で中国に残された子供、中国残留孤児をテーマにした小説。
中国は、私が20歳の時に、日中友好九州青年の船で訪れた初めての外国。
九州８県、各県から40名くらいの20歳〜25歳までの若者が20班に分かれて現地視察。
訪れたのは、北京、天津、青島、斉南。
北京では、まだ整備されていない道路をトラックがクラクションを鳴らしながら走って行く。意外と粗い運転に、当時の私はビックリしたものだ。
急峻な万里の長城は風が強くて、スカートを押さえるのに苦労した。
広い広い故宮と素朴な現地の人たち。
国賓級の扱いを受けながらも、食事は見た目ほどは美味しくなかったけれど、餡子の入った蒸し饅頭はとても美味しかった。
毎回出されるこのお饅頭に気を良くした私達のグループは、もう一個ずつ貰おうと話が決まって、ウェイターさんに身振り手振りでお願いしてみた。
すると、ウェイターさんがニッコリ笑ってOKサイン。
ヤッターとルンルンで待っていると、出てきたお饅頭は具なしの蒸し饅頭で、皆んなでガッカリしたのを思い出す。
視察で私達の班が訪れた保育園、小さな子供達が統率の取れた決められた動きのみをするのを見ては、社会主義国だという認識を新たにした事を思い出す。
私はひとりの女の子が大好きになって、日本から持っていった『シャボン玉』を吹いてみせた。
すると、驚く事に、その統率が崩れて、私の周りに子供達がわーっと集まってきたのだ。我先にとシャボン玉を吹こうとする。一人一人の口に、シャボンが付いたストローをあてがいながら、社会主義国の中に於いても、やっぱり子供なんだなぁと安堵した事が思い出される。
今思うと、中国には縁があるのかもしれない。
美容室の名前は、中国語の「謝謝シェーシェ」から貰った。
『大地の子』は、天安門事件の前に書かれた作品。
天安門事件から一変したように思う中国だけど『大地の子と私』を読むと、この作品を世に出す為のご苦労を垣間見ることが出来、やはり、中国という国の怖さを知る。
山崎豊子さんの著書に、戦争3部作がある。
『大地の子』『二つの祖国』『不毛地帯』
戦争を歴史の教科書やドラマでしか知らない私にとって、実際に起きた出来事を知るきっかけにもなった。
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